抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年東北地方太平洋沖地震の際には,同程度の津波高にある場所でも場合によっては死亡率に100倍以上の較差が見られた。これまでの研究では人的被害のばらつきの大きさを十分に説明できていない。その理由の一つに,津波の規模及び物的被害と死亡率との関連の分析が市町村といった広域の空間単位で行われていることにある。岩手県釜石市,宮城県気仙沼市,南三陸町,山元町から,物的被害と人的被害の双方の行政区単位の集計表及び行政区の位置と範囲が記載された地図の提供と利用の許諾が得られ,この4自治体のデータについて分析した。この分析において,2004年スマトラ沖地震津波の最大被害地であるインドネシアのバンダアチェにおける物的被害と人的被害との関係を参照した。これらの分析対象地域では,物的被害と人的被害の関係には大きなばらつきが見られ,その行政区の地理的な特徴について考察した。さらに避難行動を促進したり阻害したりする地理的条件の意味を議論した。一方,社会集団の特性が地域によって異なるため,避難行動の社会的側面に関する検討は,本稿では行われなかった。