抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文は,名取市民を対象とした質問紙調査をもとに,名取市民に対する震災が与えた影響とともに,震災後3年半が経過した段階で市民が感じている自身の生活の回復・復旧感ならびに名取市全体の復興感と,その規定要因を明らかにすることを目的としている。結果,震災がもたらした名取市民への影響として,住環境・人的・経済的被害が大きかったことがあげられる。また,自身の生活の回復・復旧感ならびに名取市全体の復興感とその規定要因の分析から,人命を失う被災体験が復興感を妨げる要因となっていた。これら被災体験が被災者の生活の回復感・復興感に爪痕を残していることを踏まえると,改めて人命を失わないことを前提とした防災・減災が重要であることが指摘できる。また,自身の生活の回復・復旧をもって名取市全体の復興が成し遂げられたと認識する傾向が見られることから,今後の復興を市民がいかに他人事としないかが課題となるだろう。(著者抄録)