抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,小論文の自動採点手法が英語圏において多数研究されている.この要因として研究利用可能な大規模な採点済み小論文データセットが公開されていることがあげられる.一方で,日本語では母語話者が記述した研究で広く利用されている採点済み小論文データは現段階では見受けられない.そこで,本論文ではまず模擬試験を実施し,他機関でも研究利用可能な小論文データを構築する.ルーブリックを利用して2名で採点することで揺れの少ない採点済み答案データを構築する.また,小論文自動採点の先行研究において,多数の採点済み答案を必要とする手法が提案されているが,たとえば試験問題など小論文課題が新規である場合,多数の答案に対して事前採点することは容易ではないと考えられる.そこで,本論文では小論文自動採点手法の枠組として,小論文課題に沿った参考文書または1件の模範答案のみを参照文書として利用可能な場合の採点手法について論じる.アプローチとして参照文書と小論文との類似度を利用した採点手法を複数提案し,実験的に人手による評価値と相関が高い手法を明らかにする.類似度計算法として,形態素の頻度,Wikipediaを利用したidf値,LSI,LDA,分散表現ベクトル,BERTを用いた文書ベクトルを利用する.評価実験の結果,形態素の頻度とidf値を利用した手法が他の手法に比べて人手による評価値と複数の課題で相関が高く有効な手法であることを明らかにする.(著者抄録)