抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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浅間火山南麓の標高920メートル付近に位置する広畑遺跡において,表層地質を調べたところ,地表下数10センチの黒色土壌中に黄褐色の軽石が少量散る産状が認められた.軽石層直下の土壌の放射性炭素年代測定から,軽石をもたらした噴火は5000年前頃と推定される.軽石層より上位の土壌層中に竪穴住居が造られており,敷石とともに出土した土器の付着物の年代は4300年前頃を示した.浅間前掛火山は約1万年前から現在まで活発な活動を続けている.天明噴火(1783年)のように降下軽石をもたらすサブプリニー式噴火の噴煙は火口上空の卓越風(偏西風)に流されて東方に多く分布する傾向があるが,気象条件によっては東方以外に噴煙が流される場合もある.最近の研究では3000~6000年前頃に火口の周囲の様々な方向に比較的規模の小さい降下軽石がもたらされたことがわかってきている.広畑遺跡の軽石層はDグループ軽石層の一つ(D-SSW)に対比可能であり,この方角での縄文時代中期の遺跡調査の際,鍵層として有用であることが示された。(著者抄録)