抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ソフトモードとそれに伴う構造相転移は,強誘電体材料分野の最も重要な研究テーマの一つである。2000年代には,第一原理計算を用いてフォノンを計算する手法が開発された。それ以来,強誘電体のソフトモードは多くのグループによって盛んに研究されている。より最近では,第一原理フォノン計算に基づく相転移経路の自動探索アルゴリズムを用いた,包括的なソフトモード解析法が東郷と田中によって開発された。この方法を用いることで,ソフトモードに関連した構造相転移のメカニズムを調べることができる。この方法のもう一つの利点は,準安定構造を経由する相転移経路を証明できることであり,これにより可能になることがある。相転移経路の可能性を実験的に発見することは困難である。本研究では,NaNbO
3の強誘電体および反強誘電体の相転移挙動を包括的なソフトモード解析により調べた。実験的には,NaNbO
3は室温以下では複雑な相転移を示した。包括的なソフトモード解析により,高温領域での相転移をよく再現することができた。しかし,我々の計算では,低温領域での相転移を再現することができなかった。この理由は現時点では不明ですが,各低温相のエネルギー差が小さいため,これらの相が準安定相となり,多くの構造が共存している可能性がある。このあたりの計算精度の向上と,有限温度での格子振動の効果の取り込みが今後の課題である。(翻訳著者抄録)