抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
海水中の硝酸イオンおよび亜硝酸イオン濃度は,海洋環境を把握するために重要な測定項目である。最近,報告者らは,塩基性水溶液条件下222nmの紫外線を硝酸イオン,亜硝酸イオンに照射することで,これらイオンを効率よく強い酸化力を持つペルオキシナイトライトに変換できることを見出した。ペルオキシナイトライトはルミノールと強い発光反応を起こすことが知られている。よって,これらの反応を利用し,両イオンをイオンクロマトグラフィーで分離した後,オンラインで紫外線を照射して光化学反応(PR)を行い,そしてルミノール溶液との混合により化学発光(CL)を起こさせる検出法(以下,PR-CL法)で,海水中の硝酸イオン,亜硝酸イオンを測定可能とした。しかし,この確立した測定法は,既存のイオンクロマトグラフィー分離に新たな検出法(PR-CL法)を組み合わせただけのものであり,PR-CL法のパフォーマンスを活かせていない状況であった。そこで本研究では,少量試料しか注入できないことがデメリットである内径の小さなカラム(セミミクロカラム)を分離カラムに採用し,セミミクロカラムのメリットである検出感度の向上,溶離液流量の低下(長時間運転,低ランニングコスト)を活かし,さらに低流量となったことで,PRやCLの反応効率の向上などを達成できると考え,PR-CL法による硝酸イオン・亜硝酸イオンの簡易で高速な測定法の確立を進めた。PR-CL法が塩基性水溶液条件下でのみ利用できるという制限から,化学的・物理的に安定であるグラファイトカーボンを固定相として持つセミミクロカラム(内径2mm,外径30mm)を採用した。このカラムにセチルトリメチルアンモニウムをコーティングすることで陰イオン交換カラムとして硝酸イオン,亜硝酸イオンの分離を検討した。結果として,溶離液の流量0.4mL/minで3分以内に亜硝酸イオンと硝酸イオンを分離できた。またセミミクロカラムの利用のため,内径の細い流路を使う必要があり,光化学反応器について最適化を進めた。加えてイオンクロマトグラフィーを利用した方法で,鹿児島湾奥の海底熱水噴気孔の活動と,硝酸イオン,亜硝酸イオンの濃度変動の関係についてデータを得つつ,開発中の測定法を評価するための試料およびデータとして利用した。(著者抄録)