抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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仮数部が2倍長精度の浮動小数点演算を行う方法として,Double-Word Arithmetic(DW演算)(Dekker1971)が提案されている.一方で近年,3倍長精度の浮動小数点演算を行う方法として,Triple-Word Arithmetic(Fabinoら2019),およびその簡略版であるQuasi Triple-Word Arithmetic(QTW演算)(尾崎&今村2023)が提案された.本研究では疎行列反復解法の高精度化および収束性の改善を目的として,FP64演算で実装されたQTW演算による6倍精度演算を利用することの有効性を検討する.FP64演算,DW演算,QTW演算によるConjugate Gradient法をx86CPU上に実装し,実行時間,反復回数,解の精度を比較した.その結果,QTW演算を用いた実装がFP64演算およびDW演算による実装と比較して,解の精度および反復回数の観点で優位となるケースがあることが示された.また実行時間の観点ではQTW演算がDW演算よりも高速となるケースはわずかであったが,性能がメモリ律速となるため,実行時間の増大はその演算量の割に抑えられることがわかった.(著者抄録)