抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2006年に公表されたFAOの報告では,2000年頃からは森林減少がそれまでの年間1000万haから年間730万ha程度になっている。この間,中国では毎年100万ha程の植林が行われているが,他のアジアでは,依然として毎年100万haの森林が減少している。世界中どこでも土地の生産性が低くなった地域では,住民が有機物の豊富な森林に侵入して,無秩序な森林利用をし,森林を劣化させている。不用意に開発して土壌が強酸性になった酸性硫酸塩土壌は世界各地にある。潜在的な酸性硫酸塩土壌はアルカリ性で,硫黄は黄鉄鉱(パイライト)の型で世界中広く存在している。潜在的な酸性硫酸塩土壌の上にある森林を伐採すると,酸性硫酸塩土壌が顕在化する。無秩序な森林利用を防ぐには,森林を天然更新,林内の樹種変換,間伐や除伐を行って,森林の価値を高める努力をするのが確実で,地元住民に理解してもらうことが必要である。荒廃地に植栽をして森林を修復する目的は,取引材料としての二酸化炭素吸収林を造るのではなく,実際に有機物を生産し,バイオマス利用とすべきである。CDM(Clean Develpment Mechanism)植林を実行して,木材業界が,天然林材から人工林材を扱う方向に変わるのが課題である。熱帯における人工造林には,天然更新を行う樹種の生理・生態特性の解明,種子・種苗生産技術の開発研究が必要である。加えて,潜在的な酸性硫酸塩土壌の探索,酸性土壌に耐える樹種の探索など多くの研究を行わねばならない。