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J-GLOBAL ID：200902201177399008   整理番号：08A0905813

「繋がりの科学」ネットワーク上の進化ゲーム

著者 (1件)： 増田直紀 (東大 大学院情報理工学系研究科)
資料名： 人工知能学会誌  (Journal of the Japanese Society for Artificial Intelligence)
巻： 23  号： 5  ページ： 652-658  発行年： 2008年09月01日 
JST資料番号： X0330A  ISSN： 0912-8085  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 社会的なジレンマ状況は囚人のジレンマゲームによってモデル化されることが多いが,現実の社会的な相互作用が織りなすネットワークはスモールワールドやスケールフリーといった性質で特徴づけられるように複雑である。本論文では,ネットワーク上の現象論モデルとして進化ゲームを取り上げ,協力の進化における複雑なネットワークの構造が与える影響について考察した。具体的には,ネットワークの中で各プレーヤが相互作用する相手の数(次数)がkである人の割合p(k)とするとき,p(k)がべき則の次数分布となるスケールフリーネットワーク上のゲームを対象とし,次数の散らばりが協力を促進するとした研究を解説した。一方,1)利得行列の値が総じて正に偏っていること,2)進化が合計利得に基づくことという2つの仮定の正当性は自明でなく,仮定を外すと結果が大きく変化する。また,数理モデルとしてジャンケンゲームを想定するとスケールフリーネットワーク上では3つの戦略の共存が促進されるなど,ネットワーク上の進化ゲームに関する拡張的な研究を紹介した。

シソーラス用語： *ネットワーク法 ,  *ゲーム ,  ネットワーク構造 ,  無次元数 ,  相互作用 ,  協力 ,  分散【variance】 ,  利得 ,  数学モデル
準シソーラス用語： *スケールフリーネットワーク ,  次数 ,  次数の分散 ,  *進化ゲーム ,  数理モデル

分類 (3件)： ネットワーク法  (KA03040X) ,  ゲーム理論  (KA03060T) ,  システム・制御理論一般  (IA02010H)

引用文献 (74件)：

• ABRAMSON, G. Social games in a social network. Phys. Rev. E. 2001, 63
• ANTAL, T. Evolutionary dynamics on degree-heterogeneous graphs. Phys. Rev. Lett. 2006, 96, 188104
• AXELROD, R. Evolution of Cooperation. 1984
• BALA, V. A noncooperative model of network formation. Econometrica. 2000, 68, 1181-1229
• BARABASI, A.-L. Emergence of scaling in random networks. Science. 1999, 286, 509-512

タイトルに関連する用語 (2件)： 科学 ,  進化ゲーム