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J-GLOBAL ID：200902202627790485   整理番号：08A0392928

日本の畑地土壌におけるアーバスキュラー菌根菌の分布 2 ダイズおよびトウモロコシの圃場におけるアーバスキュラー菌根菌の胞子密度および感染比率

Distribution of Arbuscular Mycorrhizal Fungi in Upland Field Soil of Japan2. Spore Density of Arbuscular Mycorrhizal Fungi and Infection Ratio in Soybean and Maize Fields

著者 (4件)： ISOBE Katsunori (Coll. of Bioresouce Sciences, Nihon Univ.) ,  SUGIMURA Hanae (Coll. of Bioresouce Sciences, Nihon Univ.) ,  MAESHIMA Takashi (Coll. of Bioresouce Sciences, Nihon Univ.) ,  ISHII Ryuichi (Coll. of Bioresouce Sciences, Nihon Univ.)
資料名： Plant Production Science  (Plant Production Science)
巻： 11  号： 2  ページ： 171-177 (J-STAGE)  発行年： 2008年 
JST資料番号： L3405A  ISSN： 1343-943X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： この研究において土壌試料はダイズおよびトウモロコシが栽培されていた畑地から採集し,アーバスキュラー菌根(AM)菌の胞子密度およびAM菌に感染したダイズの根の比率(感染比率)を調べて,菌根菌への感染に影響する土壌の化学的性質の要因を評価した。2004年の夏にダイズの9圃場およびトウモロコシの8圃場から根と根圏土壌とを採取し,土壌試料について化学的性質(pH,電気伝導度,全リン酸塩,植物利用性リン酸塩およびリン酸塩吸収係数)およびAM菌胞子密度を調べた。ダイズの根は感染比率を調べるためトリパンブルーにより染色した。土壌pHと植物利用性リン含量は試料採取場所により有意差があった。リン吸収係数は試料採取場所により著しく変化し,場所によりリン吸収係数には有意差があった。ダイズ畑とトウモロコシ畑における胞子密度は試料採取場所により著しく異なり,試料採取場所により胞子密度には有意差があった。ダイズ畑におけるAM菌の胞子密度は植物利用性リン含量と負の相関を示し,リン酸塩の吸着と正の相関を示した。このことはリン酸塩肥料の施用による土壌中の植物利用性リンの増加が土壌中のAM菌の胞子密度を低下させ,AM菌の胞子密度はリン酸塩吸収係数が大きい値の土壌では一般に高い値となることを意味する。この傾向はリン酸塩の吸着係数が低い値の土壌では著しいものと考えられる。感染比率は胞子密度と正の相関,植物利用性リンの含量と負の相関を示した。ダイズの菌根菌への感染を増加させるには,土壌の植物利用性リンを減量するとともに,同時にAM菌の胞子密度を増大させる必要がある。リン肥料の過剰施用は避けるべきである。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 日本 ,  畑地土 ,  *菌根 ,  土壌菌類 ,  胞子 ,  細菌感染 ,  *ダイズ ,  トウモロコシ ,  土壌化学特性 ,  地理的分布 ,  pH【水素イオン指数】 ,  電気伝導率 ,  リン酸塩 ,  植物利用性 ,  養分吸収 ,  吸収係数 ,  リン ,  吸着 ,  *施肥 ,  スルホン酸 ,  芳香族アミン ,  アゾ化合物 ,  フェノール類 ,  芳香族縮合化合物 ,  アミノアルコール ,  第一アミン ,  菌根菌 ,  *根 ,  *植物器官 ,  *根系 ,  生殖細胞

分類 (3件)： 豆類  (FC03035U) ,  土壌生物  (FB04050N) ,  施肥法・肥効  (FB05030Y)

物質索引 (1件)： トリパンブルー

引用文献 (30件)：

• 1) Ezawa, T., Kuwahara, S. and Yoshida, T. 1995. Compatibility between host and arbuscular mycorrhizal fungi, and influence of host plant species on the competition among the fungi. Soil Microorg. 50 : 9-19 (In Japanese with English abstract).
• 2) Gerdemann, J.W. and Nicolson, T.H. 1963. Spores of mycorrhizal Endogone species extracted from soil by wet sieving and decanting. Trans. Br. Mycol. Soc. 46 : 235-244.
• 3) Giovannetti, M. and Mosse, B.1980. An evaluation of techniques for measuring vesicular -arbuscular mycorrhizal infection in roots. New Phytol. 84 : 489-500.
• 4) Giovannetti, M. 1985. Seasonal variations of vesicular-arbuscular mycorrhizas and endogonaceous spores in a maritime sand dune. Trans. Br. Mycol. Soc. 84 : 679-684.
• 5) Green, N.E., Graham, S.O. and Schenck, N.C. 1976. The influence of pH on the germination of vesicular-arbuscular mycorrhizal spores. Mycologia 68 : 929-934.

タイトルに関連する用語 (12件)： 日本 ,  畑地 ,  土壌 ,  アーバスキュラー菌根菌 ,  分布 ,  ダイズ ,  トウモロコシ ,  圃場 ,  胞子 ,  密度 ,  感染 ,  比率