抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本の家具生産の動向をみると,販売額の減少割合以上に家具製造業の出荷額が減少し,それに代って輸入額が増加しており,家具需要は国産家具から安価な輸入家具に移行しつつあるといえる。本稿では,日本の家具産地における生産・流通構造と需要変化への対応を明らかにするため,生産額が大規模な高山産地と和家具以外の生産も盛んな松本産地を対象に実地調査を行った。その結果,脚物家具を中心に産地形成された高山産地は,高品質家具主体の生産・流通構造を持ち,中高級家具の需要は輸入品指向にならなかったため生産減少は小幅にとどまったこと,産地ブランドの確立に注力していること,等が明らかになった。さらに,和家具から洋家具への産地形成がみられる松本産地は,小規模メーカー中心の生産・流通構造を持ち,生産減少幅が大きいと推察されること,各社各様の生産体制で,メーカー毎の品質重視の家具づくりによって需要変化に対応しており,共通した取組みは見られないこと,等が明らかになった。両産地の共通点として高品質な家具生産を行うメーカーが生き残ってきたこと,相違点として高山産地が産地ブランドの確立を目指すのに対して松本産地が企業ブランドのみの確立を目指すことを挙げた。