抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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機械構造物の振動抑制技術は現象を振動として扱うか波動として扱うかで制御の枠組みが異なつてくる。振動制御では固有振動数に基づく制御則を構築するため,はりなど分布定数系では無限個存在する固有振動数の有限個数のみを対象として共振状態の回避や抑制を行うが,波動制御では固有振動数の概念が存在しないので共振状態の抑制ではなく系の振動エネルギの吸収を指標とする。その結果,波動制御が完璧に実現すれば共振応答ではなく周波数に依存するリエアな応答特性が得られる。波動制御が振動制御より効果的となる対象物は巨大な細長部材や薄板部材であるので,実用的に振動抑制に応用された例は報告されていない。しかし,波動現象に基づく振動エネルギ吸収制御は汎用的な振動制御手法ではないが,エレベータ索の低周波振動の抑制など特殊な用途には振動制御より効果的である。筆者は集中定数系である多重振子やねじり振動系に波動制御の考え方を適用して振動抑制作用を実証し,同じ概念を索とはりの差分化した集中定数系に適用している。本稿では,これらの波動制御研究アプローチの原理を概説したい。