抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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グラウンドワークは,崩壊しつつある現代の地域社会の再構築のための手段として,明確な理念と豊かな実践的可能性を有している。コンピュータの「OS」(基本システム)が不可欠であるように,地域の機能回復のためにも,あれこれの個別機能をもった施策を統合的に動かすOSが必要だと考えられる。地域主体間のパートナーシップの形成を促し,各種個別事業を統合的に管理するという意味において,まさに「グラウンドワークは地域運営のためのOSである」といってよい。英国のグラウンドワークは,政府の主導によるものであり公的資金に依存しているが,民間企業からの寄付や助成金も多く,コミュニティ再生,土地・自然資源の改善,雇用機会の獲得支援,教育環境の改善,中小企業の経営支援,青少年の健全育成といった各分野で多彩な活動を展開している。日本の場合,地域において住民セクターを中心にしながら,多様な地域主体間のパートナーシップを形成し,住民,企業,行政がそれぞれ持てる力を出し合いながら,劣化した地域環境の改善に成果をあげている。先行した英国に比べれば,その可能性が十分に開花するところまでには至っていない。これからの10年こそ,グラウンドワークが最もその真価を発揮する時代になろうと述べた。