抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
保管しているRIが100件を超えるような施設においては,帳簿上の保管記録と実際の貯蔵RI突き合わせ確認を行う作業には時間と手間を有する。任意の時期に簡単に,帳簿上の保管記録と実際のRI保管状況を突き合わせ確認できるシステムを構築することにした。RI情報を書き込むICタグとハンディターミナルを用いるシステムを採用した。システム構築上の問題と対策は次のとおりである。1.金属遮蔽体による読み取り障害:ICタグの情報が内張り金属の影響によって読み取ることができないことが判明したので,ポリ塩化ビニル製のタグホルダを作成し,この上にICタグを貼り付けることにした。2.RI容器の保管形態による読み取り問題:ICタグホルダの装着は容器の上面とし,上下に重ねて保管するような場合には一段ごとに適当なトレイに載せて保管する。3.低温保管によるICタグの粘着力低下:低温保管のRI容器には,粘着力が低下する両面テープを使用せず,RI容器に直接固定できる超低温専用ICタグホルダを開発した。無線を利用したICタグ方式では,霜が付着しているとバーコードを読み取ることができない等の,バーコード方式の弱点を克服でき,RI容器に取り付けたハンディターミナルを近づけるだけ(読み取り距離:約2~5m)でRIデータを読み取ることが可能である。しかもハンディターミナルには連続読み取りモードを搭載しているので,RI容器をなぞるようにハンディターミナルを動かすだけで在庫確認ができ,数か月にわたるー80°Cの超低温保管事にも,ICタグの読み取りには何ら問題はなかった。また,最大の特長は管理者1人でスピィーディにRI在庫確認やRI検索ができることであろう。しかもRI容器に貼り付けたRI管理番号などを記載したラベルが剥がれ落ちたり汚損してしまって読み取れない事態が発生しても,データを確認することができる。管理者のRI在庫確認作業の(精神的,労力的)負担がかなり軽減し,管理者が任意に,しかも容易に貯蔵RIを確認することができるシステムは,同時に,放射線業務従事者のRI保管義務意識を高めることにもつながるため,このシステムの利用はRIの安全管理に大きく寄与するものと考えられる。