植物の成長発育は,植物ホルモンとよばれる構造的に関連性のない低分子群によって調節されている。この15年間で,既知の植物ホルモンの数は5個から少なくとも10個にまで増えた。また,植物ホルモンのシグナル伝達経路に関与するタンパク質も多数見つかっており,その中には多くの主要なホルモンの受容体も含まれる。特に目を引くのは,ホルモンシグナル伝達経路の大半でユビキチン-プロテアソーム経路が中心的な役割を担っていることである。さらに,植物が成長発育している際にはホルモンのシグナル伝達が複数のレベルで統合されていることが,最近の研究で確認されている。Copyright Nature Publishing Group 2009