抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現実的な海底地形を模した水平2次元モデルと単純なステップ状の浅瀬地形を有する1次元の水路モデルを用いて,海底地形と津軽海峡通過流の相互作用を数値的に調べた。典型的な通過流量(1.5Sv)による流入強制と海底摩擦がない条件において,海峡周辺における定常状態の水位分布が計算されたとき,浅瀬となる局所的な場所で大きな水位勾配が維持されることがわかった。このような定常状態は,非線形系において,浅瀬地形周辺で励起された重力波による部分反射現象が生じた後に得られる。言い換えれば,流入エネルギーの一部が海峡を通過することができず,上流側に水位上昇として蓄積される。すなわち,海底地形に強制された波動によって引き起こされた「形状抵抗」が海峡通過流の運動に大きな影響を与える物理的要素の一つとなっていると考える。以上の数値計算結果は,津軽海峡を挟む水位差が海底摩擦(約2割を説明)ではなく,竜飛岬沖と大間崎沖の局所的な浅瀬地形(残りの約8割を説明)によって主に維持されていることを意味している。(著者抄録)