抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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非接触ICタグを使用したRFIDシステムが急速に広がるに連れ,これを金属面に貼って利用したいという要望が多くなってきた。しかし,通常のICタグは高周波磁界によってアンテナコイルに生じる誘導起電力により作動するため,金属上で使用すると,誘導起電力の減少等により動作しなくなる。著者らは,これまで金属体上で作動するICタグの構成方法を提案している。これは,ICタグの最下部に金属体の影響をアイソレートする導電シートを配置するものである。今回,導電性シート材に適するシートの材質と厚みを調べた。その結果,ICタグと金属の間に金属の影響をアイソレートする導電性シート材に,固有抵抗値でいうと銅の固有抵抗1.59×10
-6Ω・cmから黄銅の固有抵抗6.2×10
-6Ω・cmまで使用できるが,好ましくはアルミニウムの固有抵抗2.4×10
-6Ω・cmまでが良いことが分かった。金属の価格を考慮に入れればアルミニウムが良いことを指摘した。このアルミニウムシートの厚みは少なくとも10μm以上あれば良いが生産性,強度,価格などを考慮すれば0.1mm~0.3mmの厚みのアルミニウムシートが最適である。125kHz帯では,通常のICタグは金属に近づけると作動距離は急激に低下し,金属上ではほとんど作動しないが,本提案の金属対応ICタグは金属上でも最大作動距離がわずか15%しか減少しないことを示した。また,13.56MHz帯では,通常のICタグは金属に10mmまで近づけると作動しなくなる。それに比べて金属対応ICタグは,金属上でも作動距離は全く変化しないことを示した。