抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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多くの病原体についてゲノム塩基配列が明らかになったことで,ゲノムを用いた研究手法が可能となり,何十年にもわたってモデル生物による研究を進めてきた有力な順遺伝学的手法(ゲノム情報を用いない)に,部分的に取って代わることもできるようになった。2002年には,最も重症な型のヒトマラリアを発症させる熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のゲノム塩基配列解読が完了し,マラリア原虫に関して最先端の分子生物学研究を行う際の障壁の多くが取り除かれた。ゲノム情報を用いた実験からは,新たに認可された治療法はまだ生み出されてはいないかもしれないが,マラリア原虫の基礎生物学的性質についての新たな知見が豊富にもたらされており,最終的には新たな治療法につながると考えられる。本総説では,マラリア原虫のゲノム塩基配列が明らかになったことに一部起因する基礎研究上の発見に注目する。Copyright Nature Publishing Group 2008