抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一般情報教育の一環として実施するプログラミング教育においては「与えられた課題を理解・分析して,それを手順に分解・詳細化し,プログラムとして記述可能なアルゴリズムを組み立てる」という「アルゴリズム構築能力」をどのような方法で育成するかが課題となる。本論文では,アルゴリズムの概念を体感的に理解させるための導入教育を行うことにより,効果的にアルゴリズム構築能力を育成するという教育方法を提案し,その効果を検証した。提案方法における導入教育では,学習者に手作業でアルゴリズムを実行・理解させ,その体験を忠実にプログラミングさせる。その際,使用した教具を抽象データ型として用意し,手作業によるアルゴリズムをそのまま実行可能なプログラムとして記述できるようにした。これにより,学習者が理解したアルゴリズムを自力でプログラミングすることが可能になった。高校と大学で実験授業を行ったところ,演習に高い意欲を持って取り組ませることができ,受講者全員が挿入法による整列プログラムを作成できた。演習の実施後に受講者が取り組んだ自由作品制作の結果から,受講者にアルゴリズム構築能力が身についていることも確認できた。さらに,1)演習によって,人間とコンピュータそれぞれの情報処理の特性と関連付けたアルゴリズム概念の理解が得られること,2)アルゴリズム概念の理解が,アルゴリズムの構築における分析や詳細化の段階の重要性を認識させること,3)プログラミング言語として,Squeak eToysを拡張した「ことだまon Squeak」を用いたことが,演習を円滑に実施できた要因の1つであること,が分かった。(著者抄録)