抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,砂丘風溝を通過する飛砂の集中過程を明らかにするため,現地調査を実施し,後浜から人工砂丘の領域における飛砂の移動経路を推定した。調査地は,茨城県波崎海岸の北端に近い風溝が生じた人工砂丘とし,飛砂の動きを把握するため,風紋方位とトレーサーの移動経路及び地表面上の飛砂量を測定した。結果,風紋方位から推定された飛砂の動きは,後浜上では風の向きに沿って砂丘に対して斜め方向に移動し,砂丘に達すると砂丘法尻を沿岸方向に進むものと砂丘斜面を登るものに分岐した。分岐率は斜面勾配に応じ,勾配が大きいほど沿岸方向へ進行方向を変える傾向にあった。トレーサーの移動経路は30~15mライン間ではそのときの風向きにしたがって移動し,15mラインより内陸側では沿岸方向へ移動する成分が加わり,風紋と同様の傾向を示した。飛砂量の測定結果から,平坦な後浜上では9.0kg/m/hの飛砂量が通過したが,風溝での飛砂量は70.7kg/m/hとなり極めて多くの飛砂が通過したことが分かった。研究の結果,飛砂は砂丘に達すると進行方向とは別に沿岸方向の成分も加わり,大きな法面では障壁となるため,沿岸方向への移動傾向が強まり風溝に集中し,その結果砂丘風溝の通過飛砂量が増加したと考えられた。