抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エゾシカの生息密度を実際に調査するのは難しい。そこで,毎年10月に約10kmの決まった経路を走行し,両側をライトで照らして目撃したエゾシカを記録する「ライトセンサス」で密度や生息状況を推測している。ライトセンサスによる目撃頭数が10以下の場合は,幼稚樹の枝葉の食痕が見られるが,森林への影響は小さいと考えられる。10~20頭の水準では,ツリバナやニレ類などの樹皮剥ぎ,トドマツの角こすりがみられ,エゾシカが好きな高い樹種が選択的に食害され,森林への影響が生じる恐れがある。20頭以上になると,ニレ類などの大経木を含む樹皮剥ぎがみられ,越冬適地の天然林で樹皮の食害の影響が出る。森林における影響が著しくなった段階で,被害対策をとると,多くのエゾシカを捕獲しなければならなくなる。そのための捕獲対策を始める「エゾシカの増加サイン」は,ライトセンサスで10頭/10kmの水準であろう。