文献

J-GLOBAL ID：200902217907193811   整理番号：09A0737451

協調の進化に与える初期ネットワーク構造の影響

Influence of Network Structure on Evolution of Cooperation

著者 (3件)： 塚本鋭 (東京大学大学院工学系研究科) ,  内田誠 (東京大学大学院工学系研究科) ,  白山晋 (東京大学人工物工学研究センター)
資料名： 人工知能学会論文誌(Web)  (TJSAI (Web))
巻： 24  号： 5  ページ： 397-404 (J-STAGE)  発行年： 2009年 
JST資料番号： U0128A  ISSN： 1346-8030  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 空間囚人のジレンマに対する既存研究では複雑ネットワークの統計的指標が協調の進化に与える影響を調べているが,ネットワーク構造を網羅的に変化させた実験は行われていない。本論文では,次数分布がべき乗則に従うスケールフリーネットワークをべき乗指数を変化させることで生成し,最低次数を変化させることで生成するすべてのネットワークで平均次数を一定に保ち,次数分散が協調の進化に与える影響を調べた。Newmannらのコンフィギュレーションモデルを改良してノード数10000,平均次数8の初期ネットワークを生成し,協力と裏切りを半数ずつランダムに配置したときの裏切りへの誘惑の度合いを変化させて協力者の割合の変化を示した。また,自然選択プロセスでリンクのつなぎかえが行われてネットワーク構造が変化する動的ネットワークと,静的ネットワークとで協力者の割合の平均を比較した。さらに,次数相関とクラスター係数を変化させ,異なる次数分散を持つネットワーク上での影響を調べたところ次数分散の影響は大きく,ネットワークモデルから導かれた既存研究の結果が必ずしも全般に当てはまるものでないことが確かめられた。

シソーラス用語： ネットワーク ,  指数 ,  べき ,  無次元数 ,  数学モデル ,  ネットワーク法 ,  *ネットワーク構造 ,  *囚人のジレンマ ,  相関 ,  *クラスタ分析
準シソーラス用語： コンフィグレーションモデル ,  *スケールフリーネットワーク ,  べき乗指数 ,  次数

分類 (3件)： ネットワーク法  (KA03040X) ,  ゲーム理論  (KA03060T) ,  システム・制御理論一般  (IA02010H)

引用文献 (14件)：

• [Axelrod 84] Axelrod, R.: The evolution of Cooperation, Basic Book (1984)
• [Eguiluz 06] Eguiluz, V., Zimmermann, M., Cela-Conde, C., and Miguel, M.: Cooperation and emergence of role differentiation in the dynamics of social networks, American Journal of Sociology, Vol. 110, pp. 977-1008 (2006)
• [Fu 07] Fu, F., Liu, L. H., and Wang, L.: Evolutionary Prisoner's Dilemma on heterogeneous Newman-Watts small-world network, European Physical Journal B, Vol. 56, pp. 367-372 (2007)
• [Newman 03a] Newman, M.: Ego-centered networks and the ripple effect, Social Networks, Vol. 25, pp. 83-95 (2003)
• [Newman 03b] Newman, M.: Mixing patterns in network, Physical Review E, Vol. 67, No. 026126 (2003)

タイトルに関連する用語 (4件)： 協調 ,  進化 ,  初期 ,  ネットワーク構造