抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
非常に粗い表面を過ぎる流れの境界層の底層に対しては,従来の仮定が適用できないことが知られており,本報告ではこの領域に特に注目して,立方体を千鳥に配置した非常に粗い表面を過ぎる境界層の実験を行なった。粗さ要素の頂点より下のキャノピー領域を含んだ壁の近くの領域における平均流と乱流の支配的な特徴を明らかにするため,粒子画像流速計(PIV)とレーザDoppler流速計を用いて測定を行なった。その結果,キャノピー領域の頂上付近では,流れは滑らかな壁の境界層の壁付近の領域におけるそれと非常に異なっており,スイープ現象が卓越して平均せん断応力に大きく寄与し,一方エジェクション現象は粗さ底層の外で大きくなり,その後は滑らかな表面に対して期待されるふるまいに大体従うことがわかった。またPIV画像から抽出された空間的相関データは渦構造についての情報を与えるために使われ,これらはある非常に重要な点で,より古典的な境界層の代表例と違っていることが示された。粗さ底層の中で垂直成分から横幅成分への乱流エネルギーの再分布が生じ,非等方性のレベルが減少し,キャノピーでは代表的な乱れのスケールが強く減少するという事実は,密集した草木型キャノピーの場合も含めて,非常に粗い壁の流れの共通の特徴であるように思われる。