抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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この論文で,著者らはアリー効果を伴う空間的に陽的メタ個体群モデルを調べた。著者らは,空間的に陽的メタ個体群モデルとして,Levins(Bull Entomol Soc Am 15:237-240,969)によって導入されたパッチ占有率モデルを選んだ,すなわち,各局所的パッチは占有されているか空いており,空いているパッチは,メタ個体群のどこからでもランダムに選ばれた占有されたパッチにより再進入されうる。著者らがこのモデルを格子モデルを用いて空間的に陽的に変更したところ,得られたモデルは理論的に「格子ロジスティックモデル」あるいは「basic contact process」と同等のものになった。Amarasekare(AM Nat 152:298-302,1998)によって開発された,アリー効果を伴う最も人気のあるまたは標準的なメタ個体群モデルの一つでは,これらの効果が形式的にロジスティック方程式の平均で導入されたと考える。しかし,このモデルと結びけて考えるアリー効果の生態的意味の理解のためには,ロジスティックな進入の期間のみがアリー効果によって直接的に被害を受けると,我々が考えるほうが簡単である。このモデルの結果も良く説明され,それゆえ,著者らは予想されたようにモンテカルロシミュレーション,および二重,三重のデカップリング近似法によって試すことができた。著者らは次に以下のような1次元格子空間の明確な特徴を得た:(1)個々局所的個体群がアリー効果に従う場合であっても,全体としてのメタ個体群は初期個体群サイズにアリー閾値をもたない;そして(2)局所的個体群の絶滅率が,空間的に陽的モデルにおけるそれよりも低い場合,そのメタ個体群は絶滅する。実際の生態的メタ個体群は両極の間にある:一方の極はパッチ間の完全に混合された相互作用,他方は最も近い隣の2つのみとの最近隣間相互作用。このように,確立や拡大速度などの侵入種の問題を考慮する際は,メタ個体群の構造を識別することが重要である。(翻訳著者抄録)