抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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栃木県の湿潤な切土法面において,播種工による堅果類の導入試験を行った。初期に草本群落を成立させた後に先駆性木本で樹林化し,長期的には堅果類が優占する群落を成立させることを緑化目標に設定し,4種の堅果と,外来緑化草本,在来草本,先駆性木本の種子を配合して緑化施工した。工法は,植生マット工,植生基材注入工,および紙筒に堅果を入れて設置して植生基材を吹き付ける工法を採用し,植物群落について継続的に調査した。その結果,いずれの試験区でも施工当年に外来緑化草本が生育し,他種の被度が経年的に増加すると共にそれらは衰退して,8年目には消滅している試験区が存在した。一部の試験区を除いて,先駆性木本の除伐を経た後の8年目には堅果類が優占しており,緑化目標が達せられたと判断された。除伐が不十分であった植生マット工の試験区では,8年目には先駆性木本が優占し,枯死する堅果類がみられたことから,先駆性木本による被圧が認められる場合は,先駆性木本を除伐する必要があると考えられた。また,播種工で堅果類を用いる場合は,混播する他種を少量配合することが有効であり,耐侵食性を備えた工法を採用することが必要であると考えられた。(著者抄録)