抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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植物の光合成は,生物学では小学校からすでにおなじみの分野である。にもかかわらず,生物学あるいは医学の研究者でも,光合成の研究はとっつきづらいと感じる人が少なくないようだ。おそらく,光合成の本質はエネルギー変換であり,エネルギー,それともATPのような化学的なエネルギーではなく,光という電磁波のエネルギーを扱うところにその原因があるのだろう。本稿では,光合成を専門としない研究者に,光合成物と光エネルギーとの関係の現時点における理解と,今後の研究の方向性を平易に紹介する。具体的には,つねに変化しつづける光環境のなかで,光合成生物が自らの状態を変化させて環境変動に応答するさまざまなメカニズム,たとえば,電子伝達系の調節や光捕集アンテナ系の調節を中心に,光を基質とする光合成の反応のなかで,光のエネルギーを“捨てる”さまざまなメカニズムが必要とされる理由について考察する。(著者抄録)