抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鋼中窒素濃度を正確に管理した浸炭窒化SUJ2鋼を用い,自動車等の転がり軸受にとって重要である異物混入潤滑下での寿命を,SUJ2材深溝玉軸受に対し内輪軌道面にロックウェル硬さ圧子により人工圧痕を付与した圧痕起点はく離寿命試験により評価した。試料はOhkiの方法に基づく浸炭窒化処理により鋼中窒素濃度分布を制御した。また,比較のため,通常の異物混入潤滑下での寿命試験も行った。以下の結果を得た。1)本試験方法で得られたワイブル分布はいずれの試験片も,従来の硬質異物混入潤滑下での寿命試験に比較してばらつきが少なくワイプル勾配は大きい結果となった。本法は再現性のよい寿命データを得るのに適しており,実機の寿命予測の有用な試験法と考えられる。2)ワイブル分布から得られた寿命は,表面窒素濃度が高い程長寿命を示し,窒素濃度を正確に管理したSUJ2材の定量的なデータが得られた。3)t分布による有意差検定の結果では,本法では浸炭窒化処理品の平均寿命が浸炭窒化処理を施さない場合より危険率1%で長くなり,表面窒素濃度が0.4mass%程度の平均寿命は表面窒素濃度が0~0.1mass%の場合よりも危険率1%で長くなることが分った。4)熱力学相平衡状態図計算により浸炭窒化処理材の寿命は,表面窒素濃度よりも固溶窒素濃度との相関性が高いことが見出された。