抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スケトウダラ卵の分布調査を産卵期間中の2月に道西日本海沿岸域で広範囲に行うことにより,スケトウダラ北部日本海系群の海域における産卵の有無を確認し,水温環境の変化が卵の輸送に与える影響についても考察した。調査は2006年2月5~21日および2007年2月5~21日に道立水産試験場所属の調査船3隻により,CTDによる水温・塩分の測定と,80リングネットもしくはNORPACネットによる鉛直曳き採集を実施した。この結果,宗谷・留萌海域からは2006,2007年ともにスケトウダラの卵は全く採集されず,受精後24時間以内のステージ1の卵が高密度で見られたのは岩内湾と桧山海域であり,石狩湾では非常に少なかった。近年の主要産卵場が積丹半島以南の岩内湾と桧山海域に形成されており,宗谷・留萌海域には形成されていないことが明らかとなった。この結果から,1980年以降に産卵場の形成場所に変化が起こったと考えられる。産卵場と成育場との距離が離れ,また,卵期に致命的な高水温に遭遇する可能性が大きくなったことから,スケトウダラ卵の生残率が低下したと推察した。