抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
地球温暖化対策の一環として,再生可能エネルギーを使った発電システムの導入が進んでいる。しかし太陽光や風力は天候任せであり,出力が激しく変動するため,連系する商用系統の周波数や電圧への影響が指摘されている。その対策技術として,複数の発電設備と需要家を統合制御するマイクログリッドが注目されている。本稿では,八戸マイクログリッドの自立運転試験で新たに採用した太陽光発電用電力変換装置(PVPC)による逆相補償について述べた。これは,マイクログリッド内の逆相電流総量を算出して一元管理し,各補償装置に逆相負担分を配分して出力させる方式である。八戸市プロジェクトは2005年~2007年に渡って実証運転を行った,バイオマス,太陽光,風力といった100%再生可能エネルギーのみからなるマイクログリッドであり,電源と負荷を54kmの自営線で結んでいる。著者らは,このシステムが自立運転に必要な対策技術の開発を行うと共に,商用系統から完全に切り離した自立運転を1週間に渡り試みた。その結果,著者らが開発したPVPCによる需給制御技術により,十分な電力品質を維持できることを確認した。本稿では,その開発技術と実証結果につき報告する。地球温暖化対策の一環として,太陽光発電の普及は進む一方である。本研究による逆相補償は,任意の場所に連係する太陽光発電に付随するPVPCの余力を活用し,系統の電力品質を向上させる手段として広く応用可能である。