抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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社会基盤金属素材として日本における鉄スクラップの循環の現状について,鉄鋼バルクのマテリアルフローとレアメタル随伴元素のサブスタンスフローの両観点から解説した。鉄鋼材は,転炉鋼と,スクラップを鉄源とする電炉鋼の2種顆に大別できる。鋼材生産工程では,各種非鉄金属資源が投入されている。転炉鋼と電炉鋼では,同じ鉄鋼であっても,サブスタンスフローの観点から見ると,両者はかなり事情が異なる。鉄鋼製造プロセスの主要元素である鉄,炭素やアルミ等の脱酸元素等を「使命全う型」とし,鉄鋼中の添加合金元素を「拡散型」として,鉄鋼随伴元素のフロータイプを5種類(使命全う型,通過型,部分循環型,受け入れ型,拡散型)に分類した。また産業連関表を利用したトップダウン型MFA(Material Flow Analysis)手法として,著者らのトップダウン型鉄鋼循環フローモデルを解説した。拡散型の希薄濃度のマンガン,モリブデン,ニオブなどの添加元素の回収は技術的,経済的に極めて困難であり,近未来的に鉄スクラップを起源とする合金元素による汚染の問題の可能性や現状ではみすみすロスしている亜鉛やマンガン,リン等の希少資源の存在に注意を喚起した。今後のスクラップ流通では,組成情報を把握した上での取引の重要性を指摘した。