抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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提案システムは回収CO
2を有効に利用する酸素ーCO
2吹き石炭ガス化炉と,リサイクルした排ガスに酸素を混合して燃焼させるクローズドガスタービンシステムを組み合わせることにより,シフト反応器と所要エネルギーが大きいCO
2分離回収装置を不要にして,発電効率の大幅な低下を避けるものである。高い熱効率が得られる本システム複合発電部のシステム構成及び要素機器基本条件を検討した。本システムの高効率化を図るためには,ガスタービン設備(GT部)の高効率化及び排熱回収+蒸気タービン設備(ST部)の高効率化をバランス良く実現させることが重要である。そこで,圧力比の変更,再生熱交換器の設置,圧縮機中間冷却器の設置,等をそれぞれ組合わせた場合における発電端効率向上効果を試算・検証し,以下のことを明らかにした:1.中間冷却再生ガスタービンサイクルを採用することで,GT部としては高い熱効率が得られるが,GT部排熱量が減少するため,ST部出力は低下してしまう。従って,システム全体としての高効率化を図るには,再生ガスタービンサイクルの採用が妥当であることが分かった。2.GT部の熱効率は圧力比が大きいほど向上する傾向にあるが,一方でガスタービン出口温度及び再生熱交換器出口温度の低下を起こすため,GT部及びST部の出力・熱バランスを考えると,1300°C級ガスタービンを採用した場合には,圧力比は30程度が適している。3.三重圧サイクル,ピンチポイント温度差5°C以上の条件の下,排熱回収系の熱交換器配列を組み換え,主蒸気:600°C,SGC蒸気:430°Cまで蒸気条件を引き上げるとともに,高圧給水流量比率を増加あせることでST部の高効率化を図った。本システムの発電端効率は59.2%(HHV)と非常に高く,再生熱交換器を組み込んだクローズドサイクルの採用及び,CO
2のガス化促進効果による冷ガス効率の向上等により,従来のIGCCシステムより10ポイント程度効率が向上している。また,本システムでは,CO
2を回収する場合においても,CO
2液化動力分しか所内動力が増加しないため,酸素製造動力源単位を等しくしても40%(HHV)を超える高い送電端効率を達成できる可能性があることがわかった。