抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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事故・災害の防止を目指すメンテナンスの中で今後,重要な位置を占めると思われるモニタリングを取り上げ,次の2つの方向がセンサネットワーク技術や分散処理によって有効になるであろうと述べた。1)よりリアルタイムな対応を目指すことによる安全・安心への貢献,2)性能評価への発展を通したモニタリングベースの土木工学体系の革新。現在でも,いろいろなところにセンシング,モニタリングが使われている。ただ,成功例となる例が少ないのが実態である。列車地震警報システムなどは成功例であるが,鉄道施設となると,かなり昔,トンネルの崩壊検知にモニダリングが有効であったという例を聞いたことがあるぐらいで,なかなかというのが実情であろう。今,盛んに行われている損傷検知としての構造ヘルスモニタリングは相手がミクロの損傷であり,検知も難しいし,検知したあとの対応も難しい。鉄道施設でより大切なことは良いものを作ることであり,設計の仮定や新技術の効果測定のためのモニタリングや,事故や災害対応としてのモニタリングは効用も明確であり,その辺との組み合わせでモニタリングシステムを設計しておくのが現実的であるように思われる。特に,異常の前兆をモニタリングで捉えられるとすると,その価値は大きい。最後に,モニタリングシステムの進展におけるフィールドの意義を強調したい。それは,従来の土木構造物のへルスモニタリングの研究・開発では,理論構築や室内実験がほとんどであり,実情実装へのギヤップが大きく,研究レベルの成果の実装・実用化が困難であったと考えられるためである。実フィールドをつかうことによって,実証性を高めるとともに,研究・開発を効率的に推進することが可能となると考えられる。