抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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原子力発電所をはじめとする発電所各施設の設備診断技術の中で放射線透過技術(RT)は,配管断熱材をつけたままで診断できつことから超音波探傷の相補的な試験法と期待され,10cm以下の狭隘部に持ち込むための小型レーザープラズマX線源の研究開発を進めているが,X線管や同位体線源を小型線源とした場合にも有効な小型X線撮像技術の研究開発も必要である。リアルタイム計測という観点から小型X線CCDカメラをRT用のイメージセンサーに適用することを検討し,センサーをスキャンしてX線透過画像を連結させることで大きな構造物にも適用可能である。CCDカメラの前にシンチレータが配置されており,X線がシンチレータに入射することで蛍光が発生し,これをCCDカメラが像として捉えるものである。冷却機構でセンサー表面温度を1~8°Cに抑えて,バックグランド輝度を低減した。X線イメージングシステムによりイリジウム線源を用いてX線透過画像を撮影し,識別最小径を評価した。厚さ50mm,75mm,100mmの鉄板に対して識別最小線径はそれぞれΦ0.63mm,Φ1.0mm,Φ2.0mmであり,厚さ50mm程度であればイメージングプレート(IP)と比べ遜色ないが,厚さが増すと劣ってくることが分かった。凹みプロファイルを考察するために計算シミュレーションを行ったが,実験結果との差は大きく,原因としては,シミュレーションでは点線源でなく平行照射を考えている点,観察領域が微小領域であり,周りからの散乱影響が過小評価されている点が挙げられる。小型センサーを二次元的にスキャンさせ,模擬減肉が施されたSUS304エルボ配管(外径34mm,厚さ4.5mm)の画像撮影を行った。IPと比較して輪郭線のシャープさでは若干劣っているものの,必要な情報量の観点からはほぼ同レベルの透過画像を得ることができた。配管の内径・外径境界位置について,理論結果・シミュレーション結果は実配管とほぼ一致しているが,実験結果では真の値より大きめになった。これは,実験結果では点線源に近い形での照射となっており,X線透過画像は拡大されているものと考えられる。また,実験結果では広範囲からの散乱影響を受けるため,本来の肉厚に対する輝度変化が相対的に小さくなっている。エルボにおいては,画像間の不連続は気になるが,IPレベルの透過画像を得ることができた。