ブナ Fagus crenataの大量結実に対する気候キューにおける地理的変異

MASAKI Takashi; OKA Teruki; OSUMI Katsuhiro; SUZUKI Wajiro

文献

J-GLOBAL ID：200902226555324901 整理番号：08A1126818

ブナ Fagus crenataの大量結実に対する気候キューにおける地理的変異

Geographical variation in climatic cues for mast seeding of Fagus crenata

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資料名：
巻： 50 号： 4 ページ： 357-366 発行年： 2008年10月
JST資料番号： Y0467A ISSN： 1438-3896 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：ドイツ (DEU) 言語：英語 (EN)

日本の温帯林の最優占樹木種であるブナ Fagus crenata Blumeに対する気候キューにおける地理的変異について,日本の北部,すなわち本州の東北地方および北海道の渡島半島で調査した。本研究には,200×500km²の地域にわたる168の林についての18年間(1989-2006)の評価から得たデータを用いた。すべての林で調査期間中に大量結実は3回(1995,2000および2005)起こり,種子落下密度における年間変動係数(CV)は0.94であった。クラスタ分析に基づき林はそれぞれ7グループに分けられ,その中では林間で種子落下密度が時間的に同調し,より高いCV値(1.04-1.79)を示した。これらのグループは80-200kmの範囲で空間的に独占的に分布していた。AIC値に基づくtreeモデルの選択により,春における低温,夏における高温,1年間種子落下密度が,次の年の種子落下密度に対して決定的影響を持つことが証明された。最初の2つの気候キューの影響は種子落下密度よりもずっと大きかった。春における低温は主に渡島半島の個体群に対してキューとして働き,夏の高温は東北地方の個体群に対するキューとして働いた。もしこれが,キューに関係する遺伝的変異を示唆するものであるならば,気候変動は(例えば地球温暖化)はブナの異なる個体群の種子生産に対して,異なる影響を持つであろう。しかし,複数の気候キューが単純に地域的に変動する気候条件を反映しているのかどうかについては,今後の研究で検証する必要がある。(翻訳著者抄録)

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植物生態学

引用文献 (45件)：

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CRAWLEY, M. Statistical computing : an introduction to data analysis using S-Plus. 2002
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