抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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青海-チベット高原の高山草原は,土壌の炭素蓄積密度が高く,炭素のシンクである可能性が高いが,炭素動態の研究は乏しく,CO
2フラツクス観測は殆ど行われていない。本報告では,2001年8月~2002年12月の間のCO
2フラツクスと環境要因の関係を解析した。観測地は,祁連山山脈の支脈である大坂山と冷龍嶺が南北に走り,平均海抜3200mである。年平均気温は-2°C前後,年降水量500~600mmだが,日射量は高く5月~9月の間は気温も高く,年降水量の約80%がこの期間に集中する。生物に有害なB領域紫外線量が多いことを除けば,植物の生長に適している。調査地は,低矮性のカヤツリグサ科のC3植物である,Kobresia humilis,K. pygmaea,K. tibettica,Potentilla fruticosaが優占している。観測項目は,植生バイオマス,葉面積指数(LAI),純炭素交換速度(CO
2フラツクス=FCO
2),入射光合成光量子フラックス(PPFD),気温,地温,土壌水分,潜熱輸送量,群落抵抗である。日変化は,FCO
2は0時以降数時間放出だったが,午前8時から吸収に転じた。その後,PPFDの増加に伴って吸収量は増加し,13時頃に-12.4μmol photon/m
2/sの極大値を示した。それ以降低下し,20時に放出に転じた。季節変化を論じるには,観測項目の15日毎の移動平均値を採用した。PPFD,地温,生態系純生産(NEP=-FCO
2),生態系呼吸の関係を論じている。