抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,撮影された顔に似ている人物を検索するシステムの実現を目指し,特に検索結果を人間が下す類似性の判定に近づけることを目的とした,異なる人物間の顔類似度算出法を提案する。これまで主に本人認証の用途で研究開発された顔認識技術は,同一人物であれば照明等による見た目の変動を抑制して類似度を高く,逆に別人であれば差異を際立たせて類似度を低く算出することを目的としていた。そのため,異なる人物間で顔の類似性を判定することに関しては特別な配慮がなく,撮影された人物とは別人の中から似ている顔を検索する場合,必ずしも人間と同様の基準で類似性を判定できるとは限らなかった。本論文では,互いが類似していると判定された類似顔ペアの差分パターンには,人間が類似性を判断する上で無視できる不要成分が含まれると考え,あらかじめユーザが与えた類似顔ペアから差分画像を学習し,主成分を取り除いた空間に射影することによって,入力された顔画像ペアの差分画像から類似度の計算に重要ではない共通の主成分を取り除く特徴量抽出手順を考案した。実験の結果,人間が最も類似していると判定を下した顔が上位5番目以内に検索される累積正解率は,Eigenface法が示す20.6%から提案法により75.2%へと大幅に改善されることを確認した。(著者抄録)