抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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実験場(65度7分N,147度28分W)の平均年降水量は323.1mm,年平均気温は-3.7°C,最暖月(7月)15.3°C,最寒月(1月)-22.4°Cである。2004年に大規模な森林火災が発生した。調査は,2005年7月に,火災被害林とその隣接の火災未被害林で行った。調査地内の,林床有機物層からFH層を,鉱物質土壌表層の0~5cm層を採取した。採取試料について,無機態窒素濃度,全炭素,全窒素濃度を測定した。全窒素および無機態窒素濃度は,FH層と鉱物質土壌表層の両方で被害林>未被害林となった。そのため,全炭素/全窒素は,被害林<未被害林となった。FH層と鉱物質土壌表層の境界面に,一年間イオン交換樹脂を埋設して,吸着された無機態窒素量を測定した。その結果は,被害林>未被害林となった。被害林では可給態窒素が高くなることが示唆された。未被害林内の特に湿潤な場所はミズゴケ(Sphagnum属)等で覆われているが,火災後はしばしば島状にミズゴケが残ってた。この残った島を十字方向にトランスセクトを設置,FH層と鉱物質土壌表層の地温と含水比,コケ層とFH層の厚さを測定した。ミズゴケとその遺体からなる層の厚さは,「島」の内外で大きく異なっていた。FH層と鉱物質土壌表層の境界面における地温は,外部に比べ,内部で低かった。含水比は,特にFH層で外部より高かった。残ったミズゴケの島は,林床有機物層と同じ物理環境を示していた。