抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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診断法の顕著な進歩と危険因子の理解にも関わらず,心血管性疾患(CVD)は世界の先進国における病的状態と死亡率のいまだ主要な原因である。危険因子(内臓肥満,インスリン抵抗性,異脂肪血症,そして高血圧)のクラスターである代謝症候群は2型糖尿病とアテローム性動脈硬化心血管性疾患の新しい危険因子としてますます認識されつつある。にも関わらず,大変似た危険プロファイルを示す個々人においてすら,疾患発生と開始年齢において幅広い変動が見られる。遺伝学的決定因と(いまだ多くは未知である)環境因子との間の複雑な相互作用が疾患罹患率におけるこの大きな個人間の変動の理由であることの説得力のある証拠が今や存在する。本総説の目的は,代謝症候群,糖尿病そして心血管性疾患の病因に潜在的に結びつけられている遺伝子-環境相互作用に関する我々の知識の現状を述べることである。食餌および生活習慣(脂肪食,アルコール摂取そして喫煙習慣)により調整されうることが知られている遺伝子(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ,アルコール脱水素酵素1C型,アポリポタンパク質E,グルタチオンS転移酵素T1およびM1)の研究に主として焦点を当てる。生体異物代謝酵素の遺伝学的変異形の役割と環境毒物との相互作用についての限定された現在の理解についても述べる。追加的な研究が,環境毒物の解毒における個人間の差がCVDの発生において必須の役割を果たすかどうかを明らかにし,登場しつつある分野「環境心臓病学」に寄与するために必要である。そのような知識は心血管性危険因子の層別化の改善と「個別化治療介入プログラム」の発達を考える上で特に意味があるかもしれない。Copyright 2009 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.