抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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淡水真珠貝(Margaritifera laevis)の自由生活グロキジウムの生存率を実験室において水温10°C,15°Cおよび20°Cにて調べた。グロキジウムを得るために,産卵期雌性イガイを成体イガイおよび幼体イガイが生息する千歳川,および成体イガイのみ見いだされた安平川から採取した。様々な水温での各個体群からのグロキジウムの1日の生存率は有意に異なり,各個体群において最低水温での生存期間が最も長かった。いくつかの野外イガイ個体群の維持は,グロキジウムの短い生存期間および予想される宿主魚の低密度のため,より高い水温では困難になる可能性がある。それぞれの川におけるグロキジウム放出期の平均水温に近いことから,グロキジウムの一日の生存率を15°Cの安平個体群および20°Cの千歳個体群の間にて比較した。1日の平均生存率は15°Cの安平個体群と20°Cの千歳個体群間で有意に異なった。千歳個体群の平均グロキジウム生存率は実験開始後9時間から13時間では85.3%から66.2%へと変化したが,一方で安平個体群のものは実験開始後10時間から14時間で80.4%から34.2%に急落した。安平川における幼貝の不在はグロキジウムの低い生存度にて生じた可能性がある。カワシンジュガイ科における自由生活グロキジウムの生存期間はイシガイ目における他の科よりも短い傾向がある。カワシンジュガイ科における高い繁殖性および低いグロキジウム生存率の間にトレードオフが示唆される。(翻訳著者抄録)