文献

J-GLOBAL ID：200902234135020012   整理番号：08A0964213

電子スピン共鳴分光(Electron Spin Resonance,ESR)法を用いたラジカル重合反応過程の精密な解析

著者 (1件)： 梶原篤 (奈良教大)
資料名： 日本電子News
巻： 40  ページ： 34-45  発行年： 2008年 
JST資料番号： Y0013A  ISSN： 0386-6572  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 従来明確ではなかった重合反応経路の様態について明確な実験上の証拠の裏付けを与えるために,ラジカル重合反応系をESR法を用いて直接観測して各種単量体の成長ラジカルのスペクトルを検出した。これについては実際の重合系の反応活性種のESRの歴史を,特にメタクリル酸tert-ブチルの成長ラジカル直接観測結果について報告した。次いで以下の点から自験例の結果と文献により検討した結果を示した。1)ESRの制御ラジカル重合法との組み合わせによる研究(メタクリル酸エステルの成長ラジカルの鎖長識別),2)アクリル酸エステルのラジカル重合における連鎖移動反応機構の解明(アクリル酸tert-ブチルのラジカル重合系の観測とスペクトル解釈),3)均一オリゴマモデルラジカルを用いたラジカル転位反応機構の解明。これらについてのまとめと展望を行った後,実験による重合系の観測,ラジカル前駆体からのラジカル発生ならびに測定一般に関する報告を行った。

シソーラス用語： *ESR【磁気共鳴】 ,  *ラジカル重合 ,  反応機構 ,  *連鎖移動 ,  オリゴマ ,  転位反応 ,  重合開始剤 ,  *高分子ラジカル ,  スペクトル線帰属 ,  アルカジエン ,  芳香族炭化水素 ,  ビニル化合物 ,  脂肪族塩素化合物 ,  脂肪酸 ,  脂肪族アルコール ,  エノールエステル ,  不飽和アルコール

分類 (1件)： 高分子のスペクトル  (CG02033O)

物質索引 (6件)： 1,3-ブタジエン ,  アクリル酸tert-ブチル ,  スチレン ,  メタクリル酸tert-ブチル ,  塩化ビニル ,  酢酸ビニル

引用文献 (50件)：

• ESRの原理については以下の成書に詳しいa) 山内 淳 磁気共鳴--ESR サイエンス社 (2006), b) 電子スピンサイエンス学会監修 電子スピンサイエンス & テクノロジー入門 日本学会事務センター (2003), c) 栗田雄喜生 電子スピン共鳴入門 講談社 (1975), d) J. A. Weil and J. R. Bolton, Electron Paramagnetic Resonance, Elementary Theory and Practical Applications, 2nd ed. John Wiley & Sons, Inc.: Hoboken, New Jersey, 2007, e) N. M. Atherton, Principles of Electron Spin Resonance, Ellis Horwood Ltd: West Sussex, England, 1993, 以下の本には測定例も紹介されているf) 大矢博昭、山内 淳 電子スピン共鳴--素材のミクロキャラクタリゼーション 講談社サイエンティフィク (1989), g) 大矢博昭、山内 淳 編著 素材のESR評価法IPC (1992), h) 河野雅弘 電子スピン共鳴法 オーム社 (2003), i) 石津和彦編 実用ESR入門 講談社 (1981), j) 桜井 弘ESRの技法--バイオサイエンスの電子スピン共鳴 日本学会事務センター (2003), 高分子のESRに関しては以下の書物が参考になるk) B. Rånby and J. F. Rabek, ESR Spectroscopy in Polymer Research, Springer Verlag: Berlin Heidelberg, 1977, 1) S. Schlick ed. Advanced ESR Methods in Polymer Research, John Wiley & Sons, Inc.: Hoboken, New Jersey, 2006, m) M. Symons, Chemical & Biological Aspects of Electron Spin Resonance Spectroscopy, Halsted Press: New York, N. Y., 1978,
• H. Fischer, “Polymer Spectroscopy”D. O. Hummel, ed., Springer Verlag, Berlin (1974), pp. 289-354.
• H. Fischer and G. Giacometti, J. Polym. Sci.: C, 16, 2763(1967).
• a) H. Fischer and G. Giacometti, J. Polym. Sci.: C, 16, 2763(1967). b) H. Fischer, Z. Naturforsch., 19a, 866(1964).
• M. Kamachi, Adv. Polym. Sci, 82, 207(1987).

タイトルに関連する用語 (8件)： 電子スピン共鳴 ,  分光 ,  SPIN ,  ESR ,  法 ,  ラジカル重合 ,  反応過程 ,  解析