抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近,自動車メーカーは軽量化及び安全性の両面より,高張力鋼を使用することが多くなった。高張力鋼の使用比率の増加に伴い,鋼スクラップ中のマンガン(Mn)の含有量は増加傾向にある。Mnは鋳鉄において,黒鉛化阻害元素として知られており,特に球状黒鉛鋳鉄の伸びを減少させる元素である。そのため,高Mn鋼スクラップを使用して球状黒鉛鋳鉄を製造するためには,低Mn鋼スクラップで希釈する方法及び脱マンガンが必要となる。そこで本研究は,この自動車用鋼板スクラップのリサイクル率向上のため,高Mn鋼スクラップからMnを除去すること無しに所定の材質を満たす球状黒鉛鋳鉄を製造する方法を検討した。希土類元素(RE)を球状化処理前に添加し,Fe-Si-Ca-Ba合金を球状化処理時に添加することにより,黒鉛粒数やフェライトが多く高い伸びを有する球状黒鉛鋳鉄が得られた。希土類元素(RE)及びFe-Si-Ca-Ba合金の添加により,Mn含有量1%以下では,JIS規格(FCD450-10)を満足する球状黒鉛鋳鉄が製造でき,高Mn鋼スクラップのリサイクルは可能であることが分かった。(著者抄録)