抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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沢山の一腹卵を産む(休止日に至るまで一連の連続した卵を産む)鳥類,その中で,高産卵で,強く石灰化するGallus gallus domesticus(家禽)とCoturnix coturnix japonica(日本ウズラ)は,毎日彼らの総体カルシュウムの約10%を移動させる。したがって,彼らは脊椎動物の内で最も効率的なカルシウム輸送者と思われる。このような激しい輸送はイオン化カルシウム(Ca
2+)ホメオスタシスに厳しい要求を課し,卵殻への食物と骨からのCa
2+移動に対する少なくとも2つの非常に効率的な機構を活性化する。このレビューは,腸管と卵殻腺(ESG)における,傍細胞と経細胞Ca
2+輸送に関与する機構の発生,作用,および制御に焦点をあてた。又,この現象に関与する,いくつかの蛋白質(カルビンジン,Ca
2+ATPアーゼ,Na
+/Ca
2+交換,上皮カルシウムチャンネル(TRPV),オステオポンチン,および炭酸アンヒドラーゼ(CA))も考察した。経細胞輸送系の主成分であると思われ,それらは唯一鳥類において広範に研究されているので,カルビンジンは少し詳しく考察した。このレビューは,この現象に関与する機構のわれわれの理解ために,たとえ完全には受け入れられていないものでも,概念的基礎を形成できる新旧の知識を集めることを目的とした。腸管において,経細胞経路は低いCa
2+取り込みを補うと思われる。しかしながら,十分なカルシュウムを給餌された鳥においては,カルシウム吸収の主駆動力は,傍細胞輸送を促進する電気化学的電位差(ECPD)である。しかしながら,ESGルーメンへのCa
2+輸送に関与する機構は,いまだ確立されていない。ESGにおいて,経細胞輸送経路の2つの成分である,Ca
2+-ATPアーゼとカルビンジンの存在とCa
2+の明らかな上り坂の輸送は,Ca
2+が経細胞経路を通して輸送されるという考えを支持する。しかしながら,ESGにおける正の電位差(EPD)(粘膜に対する血漿)は,主要な代案,又は補足的な傍細胞受動的輸送経路があるかもしれないことを示している。腸管からESGへの輸送は比較的短時間に起きるという知見は,ESGにおける炭酸アンヒドラーゼによって,駆動されることを示唆する。(翻訳著者抄録)