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J-GLOBAL ID：200902238986591999   整理番号：08A1155561

冬期の寒地型牧草地はイノシシ(Sus scrofa L.)の餌場となる

Temperate Grassland Provides Winter Food for Wild Boar (Sus scrota L.).

著者 (3件)： 上田弘則 (農業技術研究機構 近畿中国四国農研セ) ,  高橋佳孝 (農業技術研究機構 近畿中国四国農研セ) ,  井上雅央 (農業技術研究機構 近畿中国四国農研セ)
資料名： 日本草地学会誌  (Japanese Journal of Grassland Science)
巻： 54  号： 3  ページ： 244-248  発行年： 2008年10月15日 
JST資料番号： Y0119B  ISSN： 0447-5933  CODEN： NSGIDM  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 耕作放棄地での肉用繁殖牛の放牧には牧養力向上を目的に寒地型牧草の導入が行われることが多い。冬季の牧草地がニホンジカの餌場になることが指摘されているが,イノシシについては不明である。そこで,イタリアンライグラスを播種した寒地型牧草地のイノシシの利用実態を明らかにした。10月から3月までの5ケ月間の牧草地におけるイノシシの糞塊数は1904個/haであり,1月と3月に回収した糞の内容物は,単子葉草本の占有率が高かった。また,保護ケージ内外草量から推定したイノシシによる被食量は,イタリアンライグラスの地上部現存量の約半分に相当した。以上のことから,寒地型牧草地は,イノシシの冬-春期の餌場になっていることが明らかになった。したがって,耕作放棄地への牧草の導入は,農作物被害の観点からは注意が必要である。(著者抄録)

シソーラス用語： *イノシシ ,  *牧草地 ,  用地 ,  肉牛 ,  放牧 ,  イタリアンライグラス ,  糞便 ,  トラップ【生物】 ,  *損害
準シソーラス用語： Sus scrofa ,  *寒地型牧草地 ,  耕作放棄地 ,  *農業被害 ,  保護ケージ

分類 (1件)： 有害動物による植物被害一般  (FC04071D)

引用文献 (19件)：

• BOOKHOUT, TA Ed. Research and Management Techniques for Wildlife and Habitats. 1996, 1-744
• 井出保行. 耕作放棄地での肉用牛放牧がイノシシの掘り返し行動に及ぼす影響. 近中四農研報. 2005, 4, 173-181
• IDE, Y. Grazing in secondary forest developed on abandoned field in Southwestern Japan. 1. Characteristics of cattle tracks formed in secondary forest. Grassl Sci. 2001, 47, 134-138
• 近畿中国四国農業研究センター編. 中国中山間地域を活かす里地の放牧利用. 2003, 7-8
• 小寺祐二. 島根県石見地方におけるニホンイノシシの食性および栄養状態の季節変化. 野生生物保護. 2001, 6, 109-117

タイトルに関連する用語 (4件)： 寒地型牧草 ,  イノシシ ,  Sus ,  餌場