抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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298.15Kにおける1-メチル-2-ピロリドン(NMP),水,直鎖アルカノールへのポリビニルピロリドン(PVP)平均分子量<span style=text-decoration:overline>A</span>(A=Mw)=1×10<sup>4</sup>の溶解エンタルピーΔ<sub>soln</sub>Hを測定した。水へのΔ<sub>soln</sub>Hは-0.119kJ g<sup>-1</sup>の発熱を示した。その他の溶媒へのΔ<sub>soln</sub>Hはわずかな吸熱と考えられるが非常に小さな熱量であり溶媒の違いに対する熱量の差は測定精度から有意性は充分ではない。3種類の分子量のPVP+NMP,+水,+アルカノールの各溶液の密度,音速からPVPの無限希釈における溶質1g当たりの部分比体積V<sub>w,2</sub><sup>∞</sup>およびPVPの無限希釈における溶質1g当たりの部分断熱比圧縮K<sub>s,w,2</sub><sup>∞</sup>を得た。アルカノール中のV<sub>w,2</sub><sup>∞</sup>は溶媒のアルキル基が長くなるにつれ増加した。アルカノール中のPVPのK<sub>s,w,2</sub><sup>∞</sup>は溶媒のアルキル基が長くなるにつれ圧縮しにくさが減少した。水中のV<sub>w,2</sub><sup>∞</sup>は全てのアルカノール中の値に比べ,大きく,K<sub>s,w,2</sub><sup>∞</sup>は,いずれの分子量においてもほとんどゼロであった。PVPと水の間に水素結合を生じさせたために,溶質を溶解させたことによる圧縮性の変化がほとんどないと考えられる。PVPとNMPは水素結合をしない,そしてPVP,NMP分子が持つピロリドン環は分子構造的にかさ高いためにV<sub>w,2</sub><sup>∞</sup>は今回測定した溶媒中で最も大きく,K<sub>s,w,2</sub><sup>∞</sup>は,正の値であり,圧縮しやすくなったと考えられる。(著者抄録)