文献

J-GLOBAL ID：200902239872236273   整理番号：09A1213545

地域通貨の流通条件検討のためのゲーミング・シミュレーション開発の試み

著者 (2件)： 林直保子 (関西大) ,  与謝野有紀 (関西大)
資料名： シミュレーション&ゲーミング  (Studies in Simulation and Gaming)
巻： 18  号： 1  ページ： 9-19  発行年： 2008年06月25日 
JST資料番号： L6921A  ISSN： 1345-1499  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 地域通貨は「一定の地域やコミュニティの参加者が財やサービスを自発的に交換するためのシステム,または流通する貨幣の総称」であり,日本では300のコミュニティでその導入が試みられている。コミュニティの特徴,資源量,地域通貨のデザインが,通貨の流通に及ぼす影響を検討することを目的に,新たに開発したゲーミング・シミュレーションの概要,およびゲーミングの結果を報告した。地域内の資源格差という条件をコントロールしながら,行為者の行動を通貨を中心に総合的に把握し,地域通貨が商品・サービスの流通,ボランティア活動の活性化,社会運動の組織化に与える影響を実験した。その結果,地域通貨の効率的流通のための条件を切り分ける,新たな方法的展開の可能性を示した。また,資源格差というマクロな社会要因が,通貨流通量に影響する可能性を示唆した。

シソーラス用語： *貨幣 ,  *地域経済 ,  *ゲーミングシミュレーション ,  地域社会 ,  ソフトウェア開発 ,  資源 ,  ボランティア ,  商品 ,  サービス ,  環境保全 ,  Boole代数 ,  インフラストラクチャー ,  地域開発 ,  *計算機利用 ,  *利用
準シソーラス用語： 地域通貨

分類 (2件)： 産業経済  (KA02000Y) ,  オペレーションズリサーチ一般  (KA03010Q)

引用文献 (12件)：

• 『平成16年国民生活白書」も, 地域の活動を促進させる手法としての地域通貨の可能性に言及し, 地域通貨のもっコミュニティ再生機能に着目している.
• カナダのトロントドルなど, 国家通貨と党換できる地域通貨も一部発行されているが, 大半の地域通貨は国家通貨と免換できない. 日本での数少ない国家通貨との党換可能な例としては, 滋賀県守山町の「もーりー」がある.
• 調査は, 平成17年1月から4月の間に, 郵送調査法によって行った. サンプルは, インターネットの情報検索等により連絡先を把握できた地域通貨の事務局109件を核とし, スノーボールサンプリング法によって選び出した。最終的に203の地域通貨運営管理者に調査票を発送し, 107の地域通貨運営管理者にから回答を得た. 回収率は52.7パーセント (107/206) となった.
• 西部 (2004) は, 日本におけるこれまでの地域通貨は相互扶助型が主流であったことを踏まえたうえで, 近年は商工会や自治体が地域経済活性化や地方財政再建を目的に, より「お金」に近い地域通貨を導入しようとする例が増えつつあることを指摘している.
• 例えば, 西部 (2002) は, コンピュータ・シミュレーションを用いて, 地域通貨LETSの赤字・黒字制限ルールが通貨供給量に及ぼす影響について検討している.

タイトルに関連する用語 (6件)： 地域通貨 ,  流通 ,  ゲーミング ,  シミュレーション ,  開発 ,  試み