抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電力系統に厳しい系統事故が発生すると発電機群と群の間の脱調に進展することが懸念される。その対策として,線路で測定できる量を用いて脱調を検出し,その線路を解列する脱調分離リレーなどが実用化されている。筆者らは,これまでに発電機がふたつの群に分かれる系統間脱調を対象として,高速に脱調を予測する方法的的を提案した。これは各発電機群が接続する二つの部分系統間の連系線において測定した電流,電力が示す特徴的な時系列変化を利用した判定法である。ところがこの方法を連系線が複数あるような動揺現象に適用すると誤判定する場合がある。そこで,本稿では,従来手法に新しい手段を組み込んで判定の信頼度を高めた方法を提案した。この手法は,まず,発電機群と発電機群に分かれて脱調する場合を前提に,両発電機群の間にある連系線上の電力と両発電機群間の相対相差角で表すPδカーブを想定する。次に,Pδカーブをいくつかの領域に分けて,ある時点に運転点が存在する領域と運転点が移動する方向を出発点として,次の時点に移動する可能性のある領域を関連づける状態推移図を作成する。そして,ある時点の運転点が存在する領域と移動方向をもとに,測定した電力,電流と電圧の値と変化分などの特徴をみて,次の時点に運転点が存在する領域と移動方向を推定する。この方法で時々刻々と測定した電力,電流,電圧を用いて運転点を追跡し不安定平衡点を通過した時点を脱調が予測できた時点であるとする方法である。提案する方法の有効性はEAST10モデルにおいて発電機群に分かれて振動した後に脱調するN波脱調モードにて確認した。また,単機脱調現象を含めた複数の現象に対して提案する手法は的確に脱調予測することを確認した。