抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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下水処理の過程で有機物が活性汚泥内に一時貯蔵される現象は,生物学的リン除去プロセスで良く知られ,近年では活性汚泥による有機物除去機構の一つとして認識されつつある。本論文第1章では,有機物の一時貯蔵に関する研究論文を次の5つの観点からレビューした:1)糸状性細菌とフロック形成細菌の競合,2)生物学的リン除去プロセス,3)生物学的窒素除去プロセス,4)生分解性プラスチックの生産,5)有機物除去機構としての一時貯蔵。続いて,第2章以降では好気性処理を行う7カ所の都市下水処理場から活性汚泥を採取し,代表的な有機性一時貯蔵物質であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)と溶解性CODを定量した。全ての下水処理場活性汚泥からPHAが検出され,PHA含有率は乾燥汚泥重量当たり0.1~09%だった。さらに,溶解性CODの除去へPHA蓄積が寄与した割合を物質収支から算出した。寄与率は-4%~45%であり,溶解性CODの除去機構としてPHA蓄積が少なからず寄与する場面があった。(著者抄録)