抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電力系統において,地絡および短絡故障が発生した場合,故障点アークが発生する。このような故障点アークは,多くの場合,アークコラムや電極スポットの複雑な移動を伴うフリーアークである。フリーアークの挙動は,現象として再現性が低く,大きなばらつきを有することが多いため,映像データからアーク姿態を定量的に解析することは極めて困難なことである。そのため,フリーアークの挙動に関し,大規模な実験を補完でき,また種々の耐アーク設計に活用できる予測シミュレーション技術が重要な課題になる。そこで,本研究では,100~2000Aの長ギヤップ直流フリーアークを対象とし,アークコラムを剛体円柱の連結群として模擬する方法による挙動シミュレーションモデルの構築および妥当性評価を行った。モデルの構築においては,ローレンツ力による連続的移動および,部分短絡による瞬間的移動を根本的な要素として抽出した。そして,これらの表現にあたり特定し難い物理量が存在することから,ローレンツ力とその移動速度との関係および,部分短絡の発生のしやすさに関するパラメータをそれぞれ導入した。構築したモデルを用いてシミュレーションを実施し,アークコラムの伸長および空間的な進展に関する実際の経時変化特性との比較から妥当性を評価した。その結果,本稿で構築したシミュレーションモデルが概ね妥当であることを明らかにした。