抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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先に著者らは乾燥すべりの接触点とその近傍から電子,光子,イオンのトライボエミッションが発生し,絶縁体では,正・負の荷電粒子がほぼ同数放出され,摩擦接触点の近傍に電子の電荷と正イオンの電荷がバランスし全体として中性となっているプラズマ(トライボプラズマ)を発見した。しかしながら,油潤滑下での気体放電プラズマの発生についての詳細な機構は不明であったので,本研究ではこの油潤滑下のトライボプラズマ発生機構について究明した。これにより得た主な知見を次に示した。1)油潤滑下ではトライボプラズマはすべり接触点後方の末広がりのすきまに発生する気泡内で気体放電により生起すること,2)この気泡はすきま距離にわたり広がり,両すべり表面に付着する油膜厚さはすきま距離に比して無視できるほど薄く,かつ内部は周囲の大気圧とほぼ同じ圧力であるため,プラズマが最も強く発生するすきま距離は乾燥すべり下と油潤滑下でほぼ同じ値となること,3)気泡は油中溶存気体の油相からキャビティ内への放出により発生するので,溶存気体の除去によりプラズマ発生を防止できること,4)プラズマの発生強度は垂直力の増大につれて,はじめは緩やかに以後急速に増大すること,5)一方,接触点からの光子放出強度は垂直力に比例して増大すること,6)この接触点内部からの光子放出も溶存気体を除去するとほとんど消失すること。