抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本原子力開発機構は,高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち,深地層の科学的研究を実施する研究設備として岐阜県瑞浪市に瑞浪超深地層研究所を建設中である。同研究所を構成する二本の立坑は完成時には深度1,000mに達し,国内の土木分野では他に類を見ない大深度立坑になる予定である。この建設工事から得られる工学的データを蓄積し分析することで将来の地層処分施設建設工事のみならず,他の大深度掘削工事に対しても有益な試料を提供できるであろう。立坑周辺の地質は中生代白亜紀の土岐花崗岩を新第三紀中新世の堆積岩である瑞浪層群が覆っている。土岐花崗岩は透水性割れ目の存在と地下水にフッ素,ホウ素等が環境基準を上回る濃度で含有していることが判明したため,湧水の適切な処理と発生量をより厳しく抑制する必要が生じた。排水処理能力などを考慮して湧水量を四割程度に低減することを目標に,普通ポルトランドセメントを用いたプレグラウトを実施している。改良目標値は,解析検討の結果グラウト改良部のルジオン値として2Luに設定している。2Luという値はダムのカーテングラウトに関する最も厳しい基準値であり,この工事はわが国の立坑建設技術に対する湧水抑制実績に貴重な施工データとなるだろう。本文は,換気立坑建設地点の土岐花崗岩,プレグラウト工の実績および妥当性について述べる。